BtoB ECサイトに必要な決済方法とは?~掛売り決済の代行サービスも紹介
昨今、BtoB市場における新規顧客の獲得や事業成長の手段として、EC化を進める企業が増加しています。BtoB ECを成功させるには、一般的な企業間取引と同様の決済方法を用意することが重要です。
そこで本記事では、BtoB ECを始めるうえでのポイントと準備すべき決済方法についてご紹介します。
目次
BtoB ECとは
BtoB ECとは、企業間・法人間の取引をウェブサイト上などで行うデジタルな仕組みです。BtoB ECサイトは一般消費者向けのBtoC ECサイトと比較すると、対象が企業向けというだけでなくシステム構築上の相違点もあります。
たとえば、BtoB ECサイトのシステムにおいては、取引先ごとに異なる価格・掛け率を表示する、見積書を発行する、再発注するといった機能が必要です。
関連記事:【BtoB EC】とは|市場規模やメリット・デメリット・BtoB ECの構築方法について解説
BtoB向けサービスのEC化率は右肩上がり
経済産業省の「令和元年度 電子商取引に関する市場調査」によると、すべての商取引金額に対するEC市場規模の割合を示すEC化率は、2019年のBtoB ECでは31.7%でした。2015年の段階ではBtoB ECのEC化率は27.4%であったことを踏まえると、拡大傾向にあると言えます。
ただし、BtoBのEC化は拡大しているものの、実際に導入するとなると次に挙げる課題があります。
- システム導入にコストがかかる
- 既存顧客に対する取引方法変更の案内
- 決済方法の検討
BtoB ECの導入にあたっては、システム構築のためのコストがかかります。また、これまで電話やFAX、メールなどで注文を受け付けてきた既存顧客をECサイトに誘導し、発注方法を変更してもらうことが必要です。すんなり移行してもらえれば問題ありませんが、FAXや電話での発注を希望する声も一定数あります。
さらにECサイトに導入する決済方法を検討する必要があります。通常の対面取引と同じ決済方法を用意することが望ましいですが、その中でも掛売りに対応するとなると与信管理をどのように行っていくかという問題が生じます。利便性が高まるクレジットカード決済も導入すべきですが、手数料もかかるので検討が必要です。
関連記事:決済方法の選択肢の多さが売上に大きく影響~株式会社キャンドゥ
BtoB ECサイトの決済方法
BtoB ECサイトの主な決済方法としては以下の種類が挙げられます。それぞれのメリットやデメリットを説明します。
- クレジットカード
- 口座振替(自動引き落とし)
- 銀行振込(前払い)
- 代金引換
- 掛売り(請求書払い)
クレジットカード
クレジットカード決済はカード会社からの入金となるため与信管理や請求書の発行が不要となり、入金確認が簡略化できることもメリットです。ただし、決済手数料がかかることはデメリットです。
また会社のコーポレートカードをもっていない企業や、個人のクレジットカードを使いたくないという顧客も多いのが現状です。クレジットカードのみの対応だと取りこぼしが発生してしまう可能性が高いので、他の決済方法とセットで準備することが望ましいといえます。
口座振替(自動引き落とし)
口座振替(自動引き落とし)は、取引先の口座から自動的に取引代金が引き落とされる決済方法です。継続的な利用が見込める場合や、お客様が振込手数料を負担したくない場合に向いています。
口座振替は手数料が安いことがメリットです。ただし取引先の振込忘れはないものの、口座の残高不足によって引き落としが不能となる場合の未入金リスクは残ります。また口座振替の手続きを行うのに1~2ヵ月程度かかるうえに、金融機関とのやりとりも自社で対応する必要があるのがデメリットです。
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銀行振込(前払い)
銀行振込は、自社の指定する金融機関の口座に取引先から取引代金を振り込んでもらう方法です。取引先からの入金が確認できた後に商品を発送するため、未払いリスクがないのが大きなメリットです。
一方で入金確認ができるまでは商品を発送できないので、納期が短い場合は対応できなかったり、新規取引の場合は現物を見る前に代金を支払うことに懸念を示されたりするケースも多いのがデメリットと言えます。また、取引のたびに入金確認の手間が発生する点も考慮する必要があります。
代金引換
代金引換は商品の到着時に、取引金額に代引手数料を上乗せした総額を宅配事業者に支払う方法です。そして宅配事業者から自社へ振込手数料が差し引かれた額が入金されます。代金引換は未払いリスクがなく、振込手数料の負担のみで済むことがメリットです。
取引先にとっても商品が到着してから支払いができるという安心感がある一方、代引手数料が高いと感じて敬遠する可能性があることがデメリットです。また、取引先が現金をオフィスに常時置いていない場合や担当者が不在にしている場合は、スムーズに商品を受け取れないことがあります。
掛売り(請求書払い)
掛売りは一定期間の取引代金を後日まとめて支払ってもらう決済方法で、日本の商習慣において一般的です。取引先にとっては資金繰りに余裕ができる分大きな取引がしやすく、支払いの手続きも一回にまとまるので最もニーズの高い決済方法です。掛売りを導入することにより、決済方法による機会損失を防げます。
しかし掛売りには未払いリスクがあるため、取引先の与信審査を行って与信限度額を設定するなど、与信管理を行う手間がかかることがデメリットです。しかもECサイト上での取引となると、全国各地の中小零細企業が取引先となります。そうした取引先の与信を審査することは非常に難しく、不正利用などのリスクも高まります。
関連記事:掛売りの意味とは?メリット・デメリットを事例から紹介
BtoB ECにて掛売り決済代行サービスを利用すべき理由
上記で説明したとおり、掛売りは企業間取引において一般的な決済方法であり、ECサイトでの取引であっても7割近くが掛売りを希望しているというデータがあります。
さらに希望の決済方法がない場合は5割近くがサイトを離脱してしまうということからも、掛売りを導入していなければ、決済方法を選択するタイミングで購入をやめてしまい、同業他社のECサイトに流れてしまうことが起こり得ます。
そのためBtoB ECサイトを運営するのであれば、掛売りの導入は不可欠です。しかし、掛売りを導入するとなると、与信管理や請求業務の手間が発生するといった課題が生じます。そこで、こうした業務を代行してくれるサービスを活用することでスムーズに掛売りを導入できます。
Paidなら与信管理を代行してくれる
掛売りを取り入れるのでれば、BtoB掛売り決済代行サービス「Paid」の導入をおすすめします。
Paidはこれまで培ってきた与信ノウハウをもとに、中小零細企業から個人事業主まで幅広く与信審査ができます。またなりすましや取り込み詐欺の疑いのある取引も自動で検知することでリスクを軽減します。さらに、万が一未払いが発生した場合でも、代金を100%保証してくれるので安心です。
Paidの特徴
「Paid」はECサイトに導入しやすい特徴があります。
- API連携で請求データの入力が不要
- リアルタイムにデータ取得
- 提携カートが多い
「Paid」はECサイトや基幹システムと柔軟に連携できるAPI連携サービスを設けています。API連携により、請求業務に必要となる顧客データや注文データはPaidに自動で送信できるため、手入力をする必要はありません。また与信審査の結果や与信限度額をリアルタイムに確認できるので、ECサイトをスムーズに運営できます。
800社以上の導入実績があるBtoB EC・Web受発注システムの「Bカート」をはじめ、「Makeshop」や「EC-CUBE」などさまざまなサービスと連携しているのも特徴です。これらの連携サービスでECサイトを構築する場合は、特別な開発をせずに簡単にPaidを導入できます。
関連記事:決済手段が増えたことでより多くのお客様にリーチできるように~Chatwork株式会社
Paid導入で掛売りの業務が効率化した事例
掛売りを導入したEC取引において、Paidの導入で請求コストの負担が減り、取引がスムーズにできるようになった事例をご紹介します。
導入企業 | 株式会社Beer and Tech |
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業種 | 卸・販売 |
【Paid導入前の効果】
- スタートアップで人数が少なく1件あたりの受注額が小さいことからも、請求書の発行にコストをかけられない。
- 掛売りで未払いが発生した際に督促を行うのは精神的な負担が大きく、コストも見合わない。
【Paid導入後の効果】
- 自社ECサイトとのAPI連携によって請求にかかるオペレーションコストがゼロに。
- 督促にかかるコストや精神的負担もなく掛売りに対応できた。
この事例の導入企業はスタートアップであるため、請求書の発行や未払いが生じた際の督促に人材を割けないという課題がありました。「Paid」の導入によって新たなオペレーションコストをかけることなく、掛売りに対応することが可能となったのです。
関連記事:料率やAPI連携のしやすさが導入の決め手~株式会社Beer and Tech
まとめ
BtoB ECサイトの導入にあたっては、決済方法にBtoBで一般的な掛売りを取り入れることにより機会損失を防ぎ、新たな顧客を獲得することが可能です。BtoB ECサイトで掛売りを行うためには与信管理の問題などが生じるので、決済代行サービス「Paid」を導入することにより、スムーズな運営が実現できます。