カゴ落ちとは?カゴ落ちの原因と対策を解説
ECサイトの管理者は、日々売り上げを伸ばすための施策を考えていることでしょう。売上が思うように上がらない原因の一つとなっているのが「カゴ落ち」と呼ばれる現象です。本記事では、カゴ落ちとはどのような現象なのかを説明し、さらにカゴ落ちの原因と対策について詳しく解説していきます。ECサイトのコンバージョン率を向上させたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
カゴ落ちとは
カゴ落ちとは、商品をカートに入れたにもかかわらず、商品を購入せずにサイトから離れる現象のことです。カゴ落ちは「カート放棄」と呼ばれるケースもあります。カゴ落ちはECサイトでよく見られるものですが、カゴ落ちが頻発している状態が続くと、ECサイトの売上やコンバージョン率などが下がります。
そのため、ECサイトの管理者としては、カゴ落ちの改善は売上向上に直結するポイントとして特に注目すべきでしょう。
よくあるカゴ落ちの原因
カゴ落ちを改善するには、まずは何が原因でカゴ落ちが起きているのかを知る必要があります。カゴ落ちの原因としてよくあるのが、以下の5つです。
- 送料や手数料など商品代金以外の費用が高い
- 決済までの手続きが多い
- 合計金額が思ったより高くなっていた
- 配送に時間がかかる
- 希望の決済方法がなかった
それぞれの原因について、詳しく解説します。
送料や手数料など商品代金以外の費用が高い
購入手続きの際に送料や手数料が想定していた金額よりも高いと、購入を見送る可能性が高くなります。実際に商品ページを見ているときは、送料や手数料などは意識しにくいものです。いざ購入しようと思ってカートに欲しい商品を入れたときに、画面に表示された金額を見て初めて想定していた金額よりも高いことに気付くのです。その結果、「思っていたより高いから、別の店で同じ商品があるか見てみよう」と考えてECサイトを閉じてしまうことがカゴ落ちの原因の一つとなっています。
決済までの手続きが多い
実際に商品を購入しようとする際に、会員登録などの手続きが必要であることや、入力項目が多く、ページ遷移も多い場合、そのような要因がカゴ落ちにつながることが多いです。顧客は「商品をすぐに購入して使いたい」という思いで買い物をしているため、購入プロセスに時間や労力を要するとストレスを感じてしまいます。顧客が購入の際に不便や不信感を覚えると、カート放棄につながることは珍しくありません。
合計金額が思ったより高くなっていた
ECサイトによっては、カートに入れる時点では商品単位での金額しか把握できないものもあり、決済画面で合計金額を確認したら、想定していた金額以上に高くなってしまったため、カゴ落ちにつながるケースもよくあります。商品を選んでいる最中に合計金額を確認できないと、決済画面へ遷移するまで予算内に収まっているかを確認できません。このような経緯からカゴ落ちにつながるケースもよく見られます。
配送に時間がかかる
商品を購入しようと決めたのにもかかわらず、思ったよりも配送に時間がかかることが分かってカゴ落ちにつながるケースもあります。すぐ使いたい商品であるのに手元に届くまでに何日間もかかるとなると、キャンセルを検討せざるを得なくなります。すぐに配送してもらえる店舗を探すために購入をキャンセルし、その結果カゴ落ちにつながるのです。
希望の決済方法がなかった
希望の決済方法がなかった場合も、カゴ落ちにつながりやすくなります。たとえば、クレジットカードはECサイトの中でも特に利用率の高い決済手段となっていますが、セキュリティ面の不安などを理由にクレジットカードの登録をしたくないという方も見られます。自分が希望している決済方法がなく、クレジットカードの登録をしなくてはいけないとなったときに、カゴ落ちにつながってしまうのです。
カゴ落ちを減らすための対策
ここまでカゴ落ちの原因について解説していきましたが、これらの原因を取り除いていくことで、カゴ落ちを減らすことが可能です。下記でカゴ落ちを減らすための対策について詳しく解説します。
発生する費用を明示する
カゴ落ちを減らすためには、発生する費用を明示することが特に重要なポイントとなります。たとえば、購入手続きに進む前にかかる費用を明確に表示する、送料無料のラインを明示する、追加で発生する費用をできる限り抑えるといった対策がおすすめです。ほかにも、購入金額の合計をリアルタイムで表示させるといった方法もカゴ落ちを減らす対策になるでしょう。
決済までの手続きを簡素化する
決済までの手間がかかる手続きを簡素化できれば、カゴ落ちを減らしやすくなります。たとえば、会員登録をせずに決済できるようにしたり、入力項目を最小限にしたりといった対策が有効です。そもそも会員登録自体をしたくないというお客様も存在するため、会員登録なしで決済することはお客様の満足度アップにつながります。また、できるだけ不必要なステップを削除するために、進捗バーなどを用いて手続きの進行度を表示することもカゴ落ちの対策になるでしょう。
合計金額を事前に確認できるようにする
決済画面に遷移する前に、事前に送料が含まれている合計金額を分かる状態にすれば、カゴ落ち防止につながります。商品ページに送料やラッピング代などの追加費用も書いておくと、お客様の利便性は格段に高まるでしょう。他にも、あとどれくらい購入すれば送料が無料になるのか等も表示させるのもおすすめです。
できるだけ多くの決済手段を用意する
お客様が普段から利用している決済手段を使えるように、できるだけ多くの決済手段を用意することもカゴ落ち防止につながります。たとえば、キャリア決済や後払いなど、クレジットカード以外の決済手段を用意しておくことで、様々なお客様が利用できるようになります。また、セキュリティ面で不安を感じさせないために、サイトで実施しているセキュリティ対策についても明記することでお客様の信頼性を高められるでしょう。
BtoB ECにおける決済の重要性
BtoB ECにおいては、特に決済手段が重要です。BtoB取引では掛売り(後払い)が一般的な決済方法のため、対応していないとカゴ落ちに繋がってしまいます。実際にEC取引においても7割以上が後払いを希望しています。さらに、希望の決済方法がない場合は半数近くがサイトを離脱してしまうため、後払いの対応は必須と言えます。
※当社実施の楽天リサーチを通したインターネット調査より
関連記事:BtoB ECサイトに必要な決済方法とは?~掛売り決済の代行サービスも紹介
Paidを導入してカゴ落ちを改善した事例
企業間決済代行「Paid(ペイド)」は、ECにも後払いをカンタンに導入できる決済サービスです。オンライン取引では難しい与信審査に加え、細かい請求が増えることで負担になる請求業務もすべて代行します。
実際に、請求業務のコストや未回収リスクが不安で後払いに対応していなかった企業が、Paidで後払いを導入したことで取引先を拡大できた事例をご紹介します。
導入企業 | 株式会社キャンドゥ |
業種 | アパレル・雑貨 |
【Paid導入前の課題】
- 与信のノウハウがなく、人的リソースも限られていたため後払いに未対応だった
- 後払いでしか購入できないお客様はお断りせざるを得なかった
【Paid導入後の効果】
- 業務負担なく後払いに対応できた
- 後払いに対応したことで機会ロスが減り、売上アップにつながった
関連記事:決済方法の選択肢の多さが売上に大きく影響~株式会社キャンドゥ
まとめ
カゴ落ちは、顧客が商品をカートに入れながら最終的に購入を見送る現象であり、これによりECサイトの売上やコンバージョン率が低下することがあります。原因としては、意外と高い送料や手数料、煩雑な決済手続き、予想外の合計金額、長い配送時間、希望の決済方法がないなどが挙げられます。
これらの問題を解決するために、費用の明示、手続きの簡素化、合計金額の事前提示、多様な決済手段の提供などの対策が効果的です。特にBtoB ECでは、後払い対応が極めて重要であり、決済代行サービスの導入が有効です。このように、カゴ落ちの原因を理解し適切な対策を講じることで、ECサイトの売上向上に大きく貢献することができます。