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eコマース(EC)とは?eコマースの種類とBtoB ECにおけるメリット・デメリットを解説

eコマース(EC)とは?eコマースの種類とBtoB ECにおけるメリット・デメリットを解説

eコマースとは、ネットショップやEDIなどを用いた電子商取引のことです。eコマースの市場は、BtoB・BtoC問わず年々拡大しており、今後も成長すると考えられています。

本記事では、eコマースを導入することで享受できるメリットや、eコマースに必要不可欠なECサイトの種類について解説します。

eコマースとは?

eコマースとは、Electronic Commerceの略称であり、「電子商取引」や「EC」とも呼ばれる取引手段です。実店舗で行われるような対面の取引ではなく、ネットショップやEDIなどを用いた電子的な取引を指します。「楽天市場」や「Amazon」などのECサイトで買い物をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

eコマースの取引形態は、企業対企業(BtoB)、企業と消費者(BtoC)、消費者対消費者(CtoC)の3つに分けられます。いずれの市場も、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年を除くと成長傾向にあり、eコマースを利用する企業や消費者が増えていることがわかります。

ここでは、上記3つの取引形態を、具体例とともに詳しく解説します。

BtoB ECとは

BtoB ECとは、企業間で行われるeコマースを指します。BtoB ECでは、卸売業者が小売店に商品を卸したり、食品メーカーが飲食店に食品を販売したりします。代表的な販売チャネルには「モノタロウ」や「アスクル」が挙げられます。

対面取引では大量かつ長期的な取引になることが多いですが、EC取引では少量や単発の購入がメインとなります。小口の取引が増えたとしてもWeb上で受発注業務が完結するため、業務の負担が増えることはありません。既存の取引先の中でも、取引金額が少ないお客様はEC取引に切り替える、といった使い分けをするケースも多くあります。

関連記事:【BtoB EC】とは?~市場規模やメリット・デメリット・BtoB ECの構築方法について解説

BtoC ECとは

BtoC ECとは、企業が消費者に対して商品やサービスを提供するeコマースを指します。一般的に、ショッピングモール型のネットショップや、自社のECサイトなどを通して行われます。代表的な販売チャネルは「楽天市場」や「Amazon」です。また、フードデリバリーサービスや、デジタルコンテンツの販売もBtoC ECに含まれます。

ECサイトを活用すれば、消費者は家にいながら望みの商品を手に入れることができるため、ステイホームが推奨されたコロナ禍でも市場が大きく拡大しました。物販系分野のBtoC EC市場は以下のように順調に成長しています。

画像出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 第一章調査結果サマリー 5ページ目」

また、スマートフォンで簡単に買い物ができる便利さから、ECサイトの知名度も向上しています。eコマースの浸透を背景に、自社のEC販売チャネルを整備する企業も増えているようです。

CtoC ECとは

CtoC ECとは、消費者間で行われるeコマースを指します。CtoC ECでは、企業が提供する販売チャネルを利用して、消費者が消費者に商品を販売します。代表的な販売チャネルは「メルカリ」や「Yahoo!オークション」です。

CtoC ECでは、基本的に一度消費者に渡ったリユース品が売買されるため、BtoCのリサイクルショップと一部役割が被ります。しかし、気軽な売買を行う場合にはCtoC EC、ブランド品のような厳格な査定が必要な価値が高い商品はBtoCが用いられる傾向にあります。

eコマース導入のメリット・デメリット

eコマースを導入すると、業務効率化や販路拡大などのメリットを受けることができます。一方、eコマースの導入には費用がかかったり、取引先との連携が必要になったりといったデメリットもあります。下記では、特にBtoB ECにおけるeコマース導入のメリットとデメリットをご紹介します。

eコマース導入によるメリット

eコマースを導入することで、売り手は以下のようなメリットがあります。

  • 受発注業務を効率化できる
  • 販売エリア制限されない
  • 営業時間外にも販売できる
  • データ収集が容易になる

eコマースを導入することによって、Web上で受発注業務が完結するため、業務の省力化・効率化が可能です。また、販売時間やエリアが制限されないため、営業時間に左右されることなく取引できますし、対面営業では足を運ぶことができない遠方のお客様にも販路を拡大できます。

加えて、eコマースを導入すると顧客データや購買データの収集と分析が容易になります。性別や年齢層のほか、商品ページごとの滞在時間まで確認できるため、強みの発見やマーケティング戦略の策定に役立ちます。商品を追加したタイミングでメルマガによる販促を行うなど、リアルタイムでの施策も打ちやすくなるでしょう。

eコマース導入によるデメリット

導入のメリットがある一方で、eコマースを導入するには以下のようなデメリットもあります。

  • 導入費用がかかる
  • 取引先を移行する場合、一部移行できない取引先もいる
  • 新規顧客に対する与信管理が難しい
  • 未回収リスクや不正利用のリスクが高まる

まず、eコマースの導入には費用や労力がかかります。導入費用とランニングコスト以上のメリットがあるかを計算してから導入しないと、赤字になってしまう可能性があります。試験的にeコマースを導入したいのであれば導入費用をなるべく抑えられる方法でECサイトを構築すべきでしょう。

既存取引先を移行して受発注業務を効率化する目的があるのであれば、取引先に事情を説明したうえで、引き続きEC上でも取引を継続してもらえるかを確認する必要があります。EC取引に難色を示す取引先が一定数いることもあるため、そういった取引先は引き続き対面で取引をするのか、取引をやめるのかを判断しなければなりません。

また、BtoBでは後払い(掛売り)が一般的な決済方法ですが、EC取引においても後払いで取引するとなると、与信管理が難しいという課題があります。顔を合わせずに取引をするうえに、全国各地の個人事業主や小規模事業者の場合は情報が取得できないケースも多く、適切な審査がしにくくなります。不安な取引先には後払い以外の決済方法を案内する必要がありますが、後払いを希望するお客様の場合、取引自体がキャンセルとなってしまう可能性もあります。

加えて、EC取引では不正利用のリスクも発生します。なりすましや取り込み詐欺に合わないための対策も検討しなければなりません。

eコマースの種類

eコマースのチャネルは、「ショッピングモール型EC」と「自社ECサイト」の2つに分けられます。どちらにも優れた特徴があるため、目的や予算に応じて使い分けることが重要です。

ショッピングモール型EC

ショッピングモール型ECとは、ショッピングモールのように複数のショップが一つのプラットフォームに出店するeコマースを指します。代表的なショッピングモール型ECには「楽天市場」や「Amazon」、「Yahoo!ショッピング」があります。

ショッピングモール型ECは、販売プラットフォームが整備されており、初期費用も低く抑えられるため、手軽に始めることができます。また、ショッピングモール型EC自体の知名度も高いため、集客が比較的容易です。

しかし、競合が多いため差別化が必要だったり、販売手数料を支払わなければならなかったりします。

自社ECサイト

自社ECサイトとは、企業が自社で立ち上げたECサイトのことを指します。自由にサイトを構築できるため、自社の思い通りに商品を訴求できます。自社ECサイトの構築方法は、大きく以下の5つに分けられます。

  • パッケージ型
    パッケージ型は、ECサイトの構築に必要な機能がパッケージ化された製品を利用した構築方法です。用意されたパッケージを利用するだけでECサイトを構築できるため、サイトの基礎を構築する手間が省けます。一方でカスタマイズを前提していることが多く、構築費用は数百万円かかるのが相場です。

  • ASP型
    ASP型は、サービス提供者のクラウド上でECサイトを開設し、商品を販売するECサイトです。eコマースをするための機能が一通り揃っているため、ショッピングモール型ECのように、すぐに販売活動を始められます。パッケージ型や他の構築方法よりも費用は抑えやすい傾向にありますが、その分カスタマイズ性は低いのがデメリットです。

  • クラウド型
    クラウド型は、ASP型と同じくクラウド上にあるサービス提供者のプラットフォームで構築できるのが特徴です。ASP型よりカスタマイズ性に優れており、高性能なセキュリティ対策や最新のシステムを利用できます。しかし、パッケージ型と同様に料金は高くなる傾向にあります。

  • オープンソース型
    オープンソース型は、無料で公開されているテンプレートを利用したECサイトです。無料で利用できるうえ、カスタマイズ性にも優れていますが、サイト構築に関する高い知見が必要だったり、セキュリティが脆弱だったりするのがデメリット。

  • フルスクラッチ型
    フルスクラッチ型とは、既存のパッケージやプラットフォームを用いずに、自社で一から構築したECサイトです。サイトの全てを自由に構築できるため、ユニークかつオリジナリティの高いECサイトを思い通りに構築できますが、その分開発に時間がかかるうえに初期費用も多額になります。

以上が、自社ECサイトによく用いられる5つのサイト形態です。企業によって適したサイト形態は異なるため、目的や予算に応じて、自社に適した構築方法を選ぶことが必要です。

まとめ

eコマースには、業務効率化や販路拡大といったメリットがあるため、企業のECサイト導入の必要性は増しています。しかし、BtoB ECを構築するうえでのデメリットも理解したうえで、構築するかどうかを検討する必要があるでしょう。

特に売上拡大の見込みがないと初期費用をかけすぎると赤字になってしまう可能性もあります。サイトを構築する方法は何種類かあるため、カスタマイズ性が低くても費用を抑えられる方法でスモールスタートするのか、一事業としてしっかりと戦略・目標を立てたうえで運用に合わせたサイトを一から構築するのかを検討してみてください。

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