集金代行サービスとは?メリット・デメリットとサービスを選ぶ際のポイントを解説
集金業務とは、企業のサービス利用料や商品代金等の売上を回収する業務を指します。集金業務は、明細を記載した請求書を顧客ごとに作成したり、作成した請求書を郵便やメールで送ったりなど、多くの作業が発生します。集金業務の担当者は毎月決められた期日までにこれらの作業を行わなくてはいけないため、負担が大きくなりがちです。
担当者の負担軽減や集金業務の効率化を実現できるのが、「集金代行サービス」と呼ばれるサービスです。
本記事では、集金代行サービスの仕組みや特徴について解説します。集金代行サービスのメリット・デメリットや、サービスを選ぶ際のポイントも解説しますので、集金業務を行っている担当者や、集金業務の効率化を検討している方は参考にしてください。
目次
集金代行サービスとは?
集金代行サービスとは、企業の代金回収を代行するサービスのことです。もともと集金代行サービスは、塾やスポーツジムなどのBtoC(消費者向け)ビジネスにおける月額料金の集金で利用されるケースが大半でした。しかし、昨今ではBtoB(企業向け)ビジネスにおいてSaaS型の継続課金型サービスが浸透している背景もあり、企業への集金目的で利用されるケースも増えています。
集金代行サービスの仕組み
集金代行サービスでは、主に口座振替とコンビニ決済による決済を提供することで代金を回収しています。代行業者を挟むことによって、例えば口座振替の場合、事業者はお客様が口座を開いている金融機関すべてに対応できるようになります。コンビニ決済の場合も同様に、主要なコンビニエンスストアが利用できるようになります。
そして、代行業者に請求データを送付するだけで、回収された代金が一本化して支払われるという仕組みです。
関連記事:口座振替サービスとは?手数料の比較と導入企業が得られるさまざまなメリット
集金代行と収納代行の違い
集金代行と似たような意味としてよく使われているワードが「収納代行」です。この2つは明確な定義がなく、どちらも顧客への代金回収を代行するサービスとなっています。しかし、口座振替をメインとして扱うのが集金代行、コンビニ決済をメインとして扱うのが収納代行と区別して呼ぶのが一般的です。
集金業務の課題
集金業務は、請求、入金の確認と消込、未入金時の督促など多岐に渡ります。
請求にあたっては、管理画面などから請求データを送付する必要があり、支払い方法を複数用意している場合はそれぞれで作業が必要です。請求金額を間違えると会社の信用を失うことにもつながるため、正確性が求められます。
入金確認では、請求金額と振込金額が異なることや、請求先と振込の名義が異なることも多く、消込の手間がかかります。さらに期日までに入金が確認できなかった場合は、請求書を再送したり督促をしたりといった業務も発生します。督促は担当の営業が行うことも多いため、営業活動に専念できない、心理的負担が大きくモチベーションの低下につながるといった影響も考えられます。
取引先が増えれば増えるほど、集金にかかる業務コストが増加してしまいます。また支払い遅延や未払いの件数も増えてしまうと、小口取引の場合は督促コストが割高になってしまう可能性もあります。
集金代行サービスを利用することで、こうした課題を解決することができるのです。
集金代行サービスを利用するメリット
集金代行サービスは、企業と顧客どちらにもメリットが大きいサービスです。主なメリットは以下の3点です。
- 集金業務を効率化できる
- 顧客満足度が向上する
- 回収率が向上する
それぞれのメリットについて解説します。
集金業務を効率化できる
上述した通り、集金業務では煩雑な業務が発生します。集金代行サービスを利用することで、これらの業務を効率化できることが大きなメリットです。顧客の支払い方法に関わらず、代行業者が用意している管理ツールに請求データを送付するだけで良くなり、また入金も一本化されるため入金確認の負担も軽減されます。さらに集金業務に充てていた人件費などをなくせるため、コスト削減にもつながります。
顧客満足度が向上する
集金代行サービスでは、口座振替やコンビニ決済などの多様な支払いオプションが用意されています。たとえば口座振替の場合、振込に行く手間や振込手数料がかからないことがメリットになります。コンビニ決済の場合、コンビニが営業している時間であれば深夜でも支払いができる点がメリットです。このような利便性の高い決済方法を自由に選択できることで、顧客満足度の向上につながります。
回収率が向上する
前述した通り、集金代行サービスを利用することで口座振替に対応できるようになります。口座振替は、顧客の口座から自動で引き落しされるため、支払い忘れが起きにくく、回収率が高い支払い方法とされています。仮に顧客が支払いを失念していたとしても集金できるため、回収率の向上につながるのです。また、集金代行を実施しているプロに集金業務を委託することによって、請求の抜け漏れや未回収等のリスクも減らせます。
集金代行を利用するデメリット
集金代行サービスの利用を検討する場合、メリットだけでなくデメリットがあることも認識する必要があります。
ここでは、集金代行を利用するデメリットについて解説します。
コストがかかる
集金代行サービスを利用するうえでデメリットとなるのが、コストが発生する点です。集金代行サービスの利用料金は代行業者によって異なりますが、一般的には初期費用と月額利用料、トランザクションごとの手数料などがかかります。特に社内のリソースだけで集金業務を行ってきた場合、コストの負担は大きくなるでしょう。しかし、集金代行サービスを長期的に利用することで、業務効率化や人件費の抑制などの効果が期待できます。
情報漏洩のリスクがある
集金代行サービスを利用する場合、顧客の金融情報や個人情報を第三者に委ねることになります。多くのサービス提供者は適切なセキュリティ対策を実施しているとはいえ、情報漏洩のリスクが伴うことは認識しておきましょう。集金代行サービスの利用を検討する際には、サービス提供者のデータセキュリティ対策とプライバシーポリシーの確認が必須です。
サービスを選ぶ際のポイント
集金代行サービスの数・種類は多いため、どのサービスを選べば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。サービスを選ぶ際には、以下の3つを確認することをおすすめします。
- サポート体制がしっかりしているか
- セキュリティの信頼性があるか
- 費用対効果が見合うか
それぞれのポイントを詳しく説明します。
サポート体制がしっかりしているか
集金業務は自社の売上につながる重要な業務です。代金をしっかりと回収できるまで、自社で責任を持って運用する必要があります。そのためには、対応方法が分からないときや、万が一の事態が起きたときに、しっかりとサポートしてもらえるかどうかが非常に重要です。サポートデスクの対応時間や導入後のサポート体制をよく確認しておきましょう。
また社内で作業する人が複数人いる場合は、管理画面が使いやすいかどうかも確認しておくといいでしょう。
セキュリティの信頼性があるか
サービスのセキュリティの信頼性についても事前に確認するようにしましょう。前述した通り、集金代行サービスを利用すれば顧客の金融情報や個人情報が第三者の手に渡るため、サービス提供者のセキュリティ対策を事前に必ず確認しなければなりません。
たとえば、プライバシーマークを取得している企業の場合、第三者機関による厳正な審査を受け、個人情報の取り扱いを適正に行っていることが客観的に証明されています。このような企業のサービスを選べば、セキュリティリスクを気にせずに安心して利用できるでしょう。
費用対効果が見合うか
集金代行サービスを選ぶ際には、費用対効果が見合うかも考慮しましょう。初期費用や月額使用料、取引ごとの手数料など、サービスを利用するためにかかるコストを明確にし、業務効率化や管理コスト削減といった効果につながるか、コストが妥当であるかを考える必要があります。
目先のコストばかりを気にするのではなく、長期に渡って利用した際に期待している効果を得られるのか、費用対効果が見合うかを考えることが大切です。
導入にあたって知っておくべきハードル
集金代行業者を利用することで口座振替に対応できることがメリットの一つですが、実は導入にあたっていくつかのハードルがあることも知っておきましょう。
口座振替依頼書のやり取り
まず一つが口座を開設するにあっての、口座振替依頼書のやり取りです。ここでは下記の作業が発生します。
- お客様への口座振替依頼書の送付
- 記入した用紙を返送してもらい内容に不備がないか確認
- 不備があった場合は再度お客様に返送し修正してもらう
- 内容に不備がなければ代行業者に口座振替依頼書を送付
書類に不備がある場合はお客様と2度3度のやり取りが発生することも珍しく非常に時間がかかります。不備がないと思って代行業者に提出したとしても、最終的に金融機関での確認時に不備が指摘される場合もあり、その場合は再度お客様に依頼書を送付するところからやり直しが必要です。
請求データを作成する際の対策
請求データを作成するにあたっては、顧客情報や請求金額、口座情報といった情報が必要です。それぞれを別々のデータベースに保管している場合、それぞれの情報をCSVで吐き出して一つにまとめなければなりません。
エクセルなどを使う場合、これらの紐づけを行う際に行ずれなどのミスが発生する可能性が高くなります。1行でもずれてしまうと、誤った金額で引落が実行されることになるため、信用問題につながります。ミスを防ぐための対策として、データを一元管理できるシステムの開発なども検討する必要があります。
最終的に未払いになった場合は督促が必要
口座振替は支払い忘れが少なく回収率が高い支払い方法ですが、それでも未回収がゼロになるわけではありません。最終的に引き落としができなかった場合は、自社で督促業務を行うことになります。
督促業務は営業が担当することも多く、貴重な営業リソースが割かれてしまうと営業に集中できなくなってしまいます。また督促業務は心理的負担も大きいため、営業のモチベーションの低下にもつながるでしょう。
集金業務・口座振替対応すべてを代行するPaid
決済代行サービスの「Paid(ペイド)」は、口座振替・請求書払い(銀行振込)・コンビニ払いに対応した企業間決済サービスです。口座振替の手続きだけでなく、請求書払いにおける与信審査、入金確認、代金回収まですべての請求業務を代行。取引先が未払いでも、Paidが代金を100%お支払いします。
<メリット>
- Paidの利用審査は5営業日程度で終わり、審査を通過すればすぐに口座振替を導入できます。
- 振替依頼書の送付や回収、記入漏れのチェックだけでなく、不備があった際のやり取りもすべてPaidが行うので、貴社には手間が発生しません。
- 口座情報もPaidが管理するため、事業者のデータベースに登録不要です。請求データも、どのお客様にいくら請求するかを登録するだけでいいので、請求ミスのリスクも削減できます。
- 引き落としが失敗した場合の督促もPaidが行います。メールや電話で丁寧な督促を行うため、高い回収率を実現できます。
関連記事:定額請求の管理や口座振替の手続きの手間が削減され、業務が楽になりました~株式会社コタム
まとめ
今回は、集金代行サービスの仕組みや特徴、メリット・デメリットや、サービスを選ぶ際のポイントについて詳しく解説しました。
集金代行サービスとは、企業の代金回収を代行するサービスのことです。集金業務は、請求、入金の確認と消込、未入金時の督促など多岐に渡ります。取引先が増えれば増えるほど集金にかかる業務コストは増加し、支払い遅延や未払いの件数が増えると督促のコストが割高になります。集金代行サービスを利用すれば、このような課題を解決することが可能です。さらに、顧客からすると幅広い決済手段を選べるため、顧客満足度の向上につながるメリットもあります。
集金代行サービスの数・種類は多いため、どのサービスを選べば良いのか迷う方が多く見られます。集金代行サービスを選定する際には、以下の3点を必ず確認しましょう。
- サポート体制がしっかりしているか
- セキュリティの信頼性があるか
- 費用対効果が見合うか