口座振替依頼書とは?記載が必要な項目や起こりやすい不備を解説
自動的に銀行口座から料金を引き落とす口座振替は、サービスを提供する側とサービスを利用する側の両方にとって便利なシステムです。口座振替を導入する場合、口座振替依頼書をお客様に記入してもらう必要があります。
本記事では、口座振替依頼書にはどのような項目が必要なのか、発生しやすい不備には何があるのかなどについて紹介します。またインターネットを利用した手続きのメリットとデメリットについても触れているので、参考にしてください。
目次
口座振替依頼書とは
「口座振替依頼書」は、料金の支払い方法として口座振替を選択した利用者が、どの口座から引き落とすのかを登録するための書類です。
口座振替依頼書には、使用する銀行の預貯金口座の正確な情報を記入する必要があります。次のような項目です。
- 銀行名
- 支店名
- 口座番号
- 口座名義
- 銀行印(届出印)
など
口座振替依頼書は、サービスを提供している事業者か、預貯金口座を持っている金融機関で受け取ることが可能です。
用紙に記入したすべての情報が金融機関に登録された預貯金口座の情報と一致していることが確認されると、口座振替が可能な状態となります。記入内容に不備があった場合は金融機関で受理されないため、不備を訂正して再度提出する必要があります。
金融機関で受理されるまでは引き落としが開始できないため、記入には細心の注意を払う必要があります。
そもそも口座振替とは
あるサービスを利用した場合などに、利用者が指定した銀行口座から自動的に利用料を引き落とす決済方法が「口座振替」です。例えば、電気代や水道代などの公共料金、携帯電話料金など、長期的に毎月発生する支払いに利用されることが多い決済手段です。
利用者にとっては、毎月金融機関に支払いに行く手間や、振込のその都度発生する振込手数料がかからないといったメリットがあります。
また事業者側にとっては、支払い忘れによる未払いリスクが軽減されるメリットがあります。また口座振替は支払いを意識することがなくなるため、サービスの継続率を高める効果もあります。口座振替は、事業者と利用者の双方にとって効率的で便利な支払い方法です。
口座振替依頼書に必要な項目
口座振替依頼書には、引き落とし対象となる口座の情報が必要です。記入する項目は、預貯金口座が「ゆうちょ銀行」「ゆうちょ銀行以外」で異なります。ここでは、それぞれの記入項目について紹介します。
金融機関情報(ゆうちょ銀行以外の場合)
ゆうちょ銀行以外の金融機関において口座振替を行う場合、次の項目を記入します。
- 金融機関名
金融機関の名称を記載します。銀行、組合、信用金庫の選択と、支店名も必要です。 - 口座の種類
当座預金口座か普通預金口座を選択します。 - 口座番号
右詰めで記載します。 - 口座名義人・ふりがな
口座の名義人の氏名を省略せずに記入します。 - 届出印
口座を開設する際に登録した届出印を押します。用紙が複数枚重なっている場合は、全ての用紙に押印が必要です。
金融機関情報(ゆうちょ銀行の場合)
ゆうちょ銀行で口座振替する場合、次の項目を記入します。
- 口座名義人・ふりがな
口座の名義人の氏名を記入します。 - 届出印
口座を開設する際に登録した届出印を押します。用紙が複数枚重なっている場合は、全ての用紙に押印が必要です。 - 通帳記号
通帳記号を記入します。 - 通帳番号
右詰めで記載します。
依頼者(申込人)情報
依頼者の情報も、口座振替依頼書に記入します。引き落としを行う預貯金口座の名義人と、依頼する人は異なる人物でも問題ありません。
また用紙によっては、依頼者は「申込人」と表現されている場合もあります。次の項目を記入します。
- 依頼者(申込人)名
- 住所
- 電話番号
口座振替依頼書で起きやすい不備
口座振替依頼書に誤記や間違いなどがあった場合は、申請の手続きを先に進めることができません。発生しやすい不備は、主に次の通りです。
- 修正テープを使用してしまう
間違えた箇所を修正する場合、修正テープを使用してはいけません。修正する場合は、修正箇所に二重線を引き、訂正印を押すかサインを記入します。 - 訂正印漏れ
間違えた箇所に、訂正印を押し忘れる場合があります。訂正印またはサインの記入が必要です。 - 口座種類の選択漏れ
普通預金か当座預金の選択を忘れてしまうケースも頻発します。 - 印鑑の押印漏れ・サイン記入漏れ
用紙が複数枚になっている場合、2枚目への押印漏れやサインの記入漏れが発生する場合があります。2枚目以降も確認が必要です。 - 印鑑が届出印と異なる・不鮮明
金融機関に届出しているものと違う印鑑を使用したり、印鑑やサインが不鮮明だったりする場合があります。 - 金融機関名・支店名が変わっている
銀行の合併などに伴う名称の変更や、支店名が変更されている場合があります。現在の情報を調べたうえで、記入する必要があります。
口座振替依頼書の記入が不要なWeb口座振替受付サービス
Web口座振替サービスとは、インターネットを使ってスマートフォンやパソコンなどから口座振替の申し込みができるサービスです。金融機関によっては「オンライン口座振替」「インターネット口座振替」「ネット口座振替」などの名称で呼ばれる場合もあります。
従来のように用紙を取り寄せて、必要事項を記入し押印後に金融機関に提出する必要がなく、インターネット上で申し込み手続きのすべてが完結します。申込者にとっては便利なサービスと言えるでしょう。
Web口座振替受付サービスでの申し込み手続きは、次のような手順となります。
- 申し込み専用のURLにアクセス
- 引き落とし口座を開設している金融機関を選択
- 金融機関の登録ページに遷移
- 本人確認情報、口座情報などを入力
- 入力情報に不備がなければ登録完了
Web口座振替受付サービスを利用することで、迅速に申し込みができるなど、さまざまなメリットがあります。その一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここでは、Web口座振替受付サービスのメリットとデメリットについて紹介します。
Web口座振替のメリット
事業者にとっては、口座振替依頼書の郵送コストや紛失するリスクがなくなるのが大きなメリットです。また不備があった際にお客様に差し戻したり、銀行に再申請したりといった手間もなくなります。
また口座振替依頼書で手続きする場合、不備がなければすぐに登録が完了しますが、不備による修正や返送などが発生すると、登録完了までに1~2ヵ月ほどかかってしまいます。Web口座振替受付では、そうした不備への対応が発生しないため、リアルタイムで登録が完了するので、すぐに請求を開始できるのもメリットです。
利用者にとっても、24時間いつでも申し込みができるのが大きなメリットです。口座振替の設定が完了しないと利用を開始できないサービスもあるため、すぐに利用開始できるのは利用者にとってもメリットと言えます。
Web口座振替のデメリット
一方でWeb口座振替受付サービスには、デメリットも存在しています。一つが利用できる金融機関が限られるという点です。また個人名義の口座にしか対応していない金融機関がほとんどです。法人名義や事業用の口座で申し込みができる金融機関は限られてしまうので、注意が必要です。
またWeb口座振替受付を導入する場合は、申込ページを用意したり、サイトと連携したりといった開発が必要です。口座振替の代行サービスを利用している場合は、Web口座振替受付を利用するのにオプションの費用が発生することもあります。
まとめ
今回の記事では、口座振替を申し込む際に必要な「口座振替依頼書」について説明しました。
口座振替を行う金融機関が「ゆうちょ銀行」または「それ以外」によって、記入項目に多少の違いがあります。事前に把握しておくのが良いでしょう。
また、よくある不備の事例についても紹介しました。口座振替依頼書に不備があった場合、差し戻しや再提出などによって手続きに時間がかかってしまいます。あらかじめ不備が起きやすい項目は念入りに確認することが重要です。
金融機関によっては、インターネットを利用したWeb口座振替受付サービスに対応している場合があります。迅速に手続きすることが可能となるため、利用を検討してみるのも良いでしょう。