EC プラットフォームとは?選ぶ際のポイントと種類を解説
「オンライン上で新商品を販売したい」
「新しい販売チャネルを立ち上げたい」
様々な理由でECサイトの構築を検討する企業の多くが最初に考える必要があるのが、「どんな方法でECサイトを構築するのか」という点です。
本記事ではこれからECサイトの立ち上げを検討する方や、自社に合ったECサイトを模索している方に向けて、ECプラットフォームにはどんな種類があるのか、どうすれば自社に合った手法を選択できるのかといった点について具体的な例も踏まえながら説明します。
このページを読んで頂くことで、ECプラットフォームの特徴やそれぞれのメリット、デメリットを理解してもらい、実際にプラットフォームを選ぶときの参考にしてください。
目次
ECプラットフォームとは?
ECサイトを構築する際には、基盤となるシステムが必要となります。このシステムをECプラットフォームと呼びます。カートやマイページ、決済などECプラットフォームは多くの機能を提供しており、その種類も豊富です。
ECサイトを運営する際には目的や販売する商品を明確にしたうえで、適切なシステムを選ぶことが重要です。次の章では、ECプラットフォームにどんな種類があるかをご紹介します。
ECプラットフォームの種類とその特徴
ECプラットフォームには大きく分けてモール型、ASP/SaaS型、クラウド型、パッケージ型、フルスクラッチ型が存在します。ECサイトで何をしたいか、何を商品として販売するかが決まったら、売上規模や予算、必要な機能などを考えながら、ご自身に合ったシステムを選びましょう。
と言っても、システム名だけでは、どんな特徴があるのか、分からないですよね。まずは各システムの特徴を順にご案内します。
モール型
モール型ECサイトは、複数の店舗が集まってできた、インターネット上のショッピングモールのような空間です。Amazonや楽天などがモール型ECサイトの典型的な例です。
メリットとして、自社ECサイトを一から立ち上げる場合に比べて初期コストや時間がかからず手軽に始められる点、すでにモールとしてのブランディングがあるため、最初の顧客を呼び込みやすいといった点が挙げられます。
逆にデメリットとしては、出店料や出品料、売上に応じた手数料が発生するために利益率が低くなってしまうことや、ECモールの提供するプラットフォーム上に店を出すためにデザインを自由に変更できず、自社の特徴を押し出しづらい点、顧客にとってはモール内の一店舗という立ち位置に留まってしまう点などが挙げられます。
インターネット上での販売を初めて行う場合や、規模の小さい企業がスモールスタートで事業を始める場合などに有効な選択肢と言えます。
ASP/SaaS型
先述のモール型ECサイトと異なり、自社でECサイトを運用する方法もあります。自社ECサイトの構築・運営方法の違いによって、ECサイトは複数のパターンに分類されます。
ASP/SaaS型はECサイトとして利用できるシステムがサービス提供者側のサーバー上に用意されており、ユーザがすぐに使える状態にしてあるサービスで、初期費用、月額費用を安価に抑えつつ自社ECサイトを持つことができる点がメリットとして挙げられます。
一方で、デザインテンプレートが限られていたり、機能拡張や他のシステムとの連携ができない点などがデメリットです。手軽に始められる反面、自由度が低い構築方法と言えます。
クラウド型
クラウド型は、クラウド上に様々な機能をプラットフォームとして提供されており、ユーザがそれを用いてECサイトを構築することができる方法です。
ASP/SaaS型と異なり、出来合いのパッケージではなく、パーツをクラウド上から自身で選んで構築する点が特徴です。また商品・在庫の管理機能、コンテンツの編集機能、決済機能などのECサイトに必要な各機能は常に最新の状態にアップデートされるため折角ECサイトを構築したのにシステムが古くなるといったことがありません。また、機能性やカスタマイズの自由度も高いため、業種や規模を問わず構築しやすい点もメリットです。
初期費用やランニングコストはASP/SaaS型に比べて高額になるため、スモールスタートを切りたい企業には適していないものの、後述するパッケージやフルスクラッチのようにシステムのメンテナンス費用が抑えられます。
パッケージ型
パッケージ型とは、ECサイトを始めるのに必要な機能が全て含まれるパッケージを自社サーバーにインストールしてECサイトを構築する方法を指します。
利用者は、機能面ですぐにでも自社ECサイトを始められるハコを手に入れることができるため、短期間で準備ができるメリットがあります。また、強固なセキュリティシステムが設計されており、ソースコードも公開されていないため、個人情報を取り扱うECサイトにおいては非常に重要なセキュリティ面を担保できるメリットがあります。
一方で初期費用は高く、年商が1億円を超えるような規模のECサイトでないと利用しづらい面があります。また日々新しいシステムにアップデートされるEC業界の中で、システムが古くなりやすい点、カスタマイズに追加でコストがかかる点もパッケージ型の注意点と言えます。
オープンソース型
オープンソース型は、インターネット上に無償で公開されているソースコードを用いて利用者でECサイトを構築する手法です。
ECサイトに必要な機能はオープンソース内に備わっており、プラグインを使って機能を追加することも可能であるため、初期費用やランニングコストは抑えられる反面、利用者に専門的な知識や技術が求めらます。
外部のシステムやサービスと連携がしやすい、公開されているソースコードを使うため、スクラッチで構築する場合に比べて開発期間を短縮できるといったメリットがありつつも、セキュリティリスクが高い、トラブル時にサポートが得られないといったデメリットも包括しています。オープンソースでのECサイト構築に適合するのは限られた利用者とも言えます。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、ECサイトを完全に一から構築する手法で、要件定義やシステム設計含め、全く新しい状態からオリジナルのECサイトを構築することができます。
ECサイトのデザインから機能まで、すべてを自由に設計、構築できること、運営を始めてから要望や変更にも柔軟に対応できるのがフルスクラッチの強みです。一方で構築・運用費用やかかる時間は他と比べて膨大になるため、大規模のECサイトでないと選択できない構築手法と言えるでしょう。
自社に合うECサイトの選び方
ECプラットフォームの種類とそれぞれの特徴をご案内しましたが、自社に合ったECサイトを選ぶ際には抑えておくべきポイントがあります。
ここからは、特に重要な以下の4つのポイントについて、順にご説明します。
- 機能面で不足がないか
- 費用対効果が合うか
- サポートが充実しているかどうか
- 決済オプションが備わっているか
機能面で不足がないか
ECサイトには様々な機能が含まれています。サイトの運営に当たってまず検討するべきは機能面です。
なぜなら、顧客がECサイトを訪れてから商品を購入し、手元に商品が届くまでが購買経験であり、どんなに素晴らしい商品であっても、購買経験の中で顧客が不自由な思いをしてしまっては、自社に対する評価が変わってしまうからです。
そこで、ECプラットフォームを選定する際には商品の登録・編集・削除、在庫管理、注文管理、顧客管理、決済機能、配送管理といった基本的な機能がすべてそろっているかをまず確認しましょう。
また自社ECサイトの特徴を打ち出す際にこの機能は外せない等、独自の機能が必要な場合には、ECプラットフォーム上でどのように実装できるかを確認しましょう。これらを踏まえて、最適なプラットフォームを選択することが重要です。
費用対効果が合うか
ECプラットフォームの種類で案内したように、採用するプラットフォームの種類や機能によって費用は様々です。初期費用や運用コストを抑えることも選択するプラットフォームによっては可能ですが、一方で利用できる機能や他サービスとの連携に制限がかかるケースも頭に入れておかなければいけません。
例えばECサイトを自社で構築した場合に、開発費用を抑えたために、ECサイトの運営側に負荷がかかるような仕様になってしまう失敗事例もあります。商品発送までのフローが煩雑になることや、商品の売上状況を確認する際に、情報の集約が難しいといったケースです。そうなると、納品までに時間がかかってしまったり、顧客に対して適切なフォローができなくなったりしてしまい、顧客サービスの質の低下から、そもそも購入の機会を減らしてしまうことにもなりかねません。
また不具合や使いづらいといったトラブルを改修するために、追加で費用がかかることもあり、最悪の場合に再度プラットフォームを検討といった事態も起こり得ます。逆に、高機能すぎるECサイトを作ったが、実際には顧客数と見合わずコストを回収できないといったこともあります。
プラットフォームを選ぶ前段階で、必要な機能面の洗い出しがしっかりしていれば、費用対効果までを見通した、最適な選択を行えます。また最初はリスクの少ない簡易な形でECサイトをスタートし、ある程度状況が見えてから本格的にプラットフォームを検討するといった中長期的な目線で計画を立てることも事業によっては有効です。
サポートが充実しているかどうか
ECサイトを運営すると、思わぬトラブルや不具合が起こります。影響範囲が自社内にとどまらず、顧客にまで及ぶ場合には早急な対処が必要な場合も少なくありません。そういった事態を想定した場合に、サポート体制が充実しているかどうかは、サービスを選択する重要なポイントです。
ASP型のサービスでは、メールや電話での問い合わせ対応が可能なものが多くあります。クラウドECの場合は、24時間365日対応しているものもあります。プラットフォームを選択する場合にはどのようなサポートが受けられるかを必ず併せてチェックするようにしましょう。
決済オプションが備わっているか
決済オプションが豊富にあるECサイトは、顧客にとっても購入のハードルが下がります。気に入った商品があっても、顧客が希望する決済方法がないと購入を見送ることもあり、購入機会を下げる損失とも言えます。
ECサイトの決済オプションはプラットフォームごとに異なっており、銀行振込やクレジットカード決済、代引き決済、コンビニ決済など基本的な決済方法が備わっているかを確認しておくことが必要です。しかし、決済オプションが備わっていない場合には、クレジットカード会社やオンライン決済会社と直接契約する必要があり、審査や契約に手間がかかります。
特にBtoB ECでは、オフライン取引で一般的な掛売り(請求書払い)に対応することが理想的です。プラットフォームによっては掛売りに対応した決済代行サービスと連携しているものもあるので、その点も確認しましょう。
関連記事: BtoB ECサイトに必要な決済方法とは|掛売り決済の代行サービスも紹介
BtoB決済サービス「Paid(ペイド)」と連携しているECプラットフォーム
Paid(ペイド)は、BtoBに特化した決済代行サービスです。請求業務の代行と未入金時の保証がセットになっているため、ECサイトでも安心して掛売りで取引ができます。
Paidは以下のプラットフォームと提携しており、これらのプラットフォームを利用してBtoB ECを構築する場合は、開発不要ですぐにPaidを導入いただけます。
BtoB ECにPaidを導入して販路が拡大した事例
ECサイトにPaidを導入し販路拡大を実現した事例を紹介します。BtoB ECでは掛売りに対応することが理想的ですが、細かい請求が増えるため自社で対応するのは現実的ではありません。Paidで掛売りに対応することで、業務負担なく取引先を拡大できます。
導入企業 | シュアラスター株式会社 |
業種 | カー用品卸 |
【Paid導入前の課題】
- 問屋を通した取引以外に販路を拡大したい
- ECサイトの立ち上げにあたって自社で口座を管理したくない
- 受発注から決済、配送までをなるべく効率化したい
【Paid導入後の効果】
- ECサイト開設によって営業が難しい小さな店舗にも販路を拡大
- ECサイトの決済はPaidに一本化したので口座の管理が不要に
- 経理業務も出荷業務も大幅に効率アップ
関連記事
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まとめ
この記事ではECプラットフォームとは何か、その種類と特徴についてお伝えするとともに、自社でECサイトプラットフォームを検討する際のポイントについて解説しました。
ECサイトは顧客にオンライン上で商品を購買してもらう非常に重要な接点であり、検討する項目も多岐に渡ります。本記事を参考に、自社に合った最適なオンラインプラットフォームの形を検討していただけたら幸いです。