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請求書の送付状の正しい書き方は?作成ポイントと注意点を解説

請求書の送付状の正しい書き方は?作成ポイントと注意点を解説

請求書送付状は、取引先に請求書を送る際に欠かせないビジネス文書ですが、ただ内容を伝えるだけではなく、相手に対する配慮や感謝を表す大切な役割も果たします。本記事では、請求書送付状を作成する際の基本的な注意点や、適切な言葉遣いや送付方法について詳しく解説します。適切な書き方を理解し、送付タイミングを工夫することで、ビジネスマナーを守りながら円滑な取引を進めることができます。

そもそも送付状とは

送付状とは、郵送やメールで書類や資料を送付する際に同封または添付される文書です。例えば、見積書や契約書の送付時、商品の案内資料を郵送する際に必要となります。送付状には書類の概要が記載されるため、受け取り手は必要な書類を効率的に確認できます。

また、送付状には簡単な挨拶や取引に関するメッセージが含まれることが多く、取引先との良好な関係を築くきっかけにもなります。例えば、「日頃のご愛顧に感謝しております」といった一文を添えることで、ビジネスパートナーへの配慮を示せます。

請求書に送付状の同封が必要なケース

請求書に同封する送付状には、支払期日を明確に伝えることで、支払い遅延の防止にも寄与します。特に、複数の請求がある場合に受け取る側が混乱しないように、請求書と合わせて送ることで整理されます。また支払いの確認や問題が発生した場合、請求書送付状は法的な証拠としても有効です。送付状に記載された内容が後でトラブルを防ぐために重要な証拠となることがあります。

次のような場合には、一般的に送付状を同封します。

  • 初めて取引する相手に対して
    新しい取引先に請求書を送る際には、送付状を添えることで相手に対して丁寧な印象を与えることができます。
     
  • 定期的な取引において
    毎月の請求や定期的なサービスの提供がある場合にも、送付状を付けることでスムーズなやり取りが可能です。
     
  • 複数の項目がある場合
    請求書に明細が多い場合、その詳細を簡潔に伝えるために送付状を使うことで、相手が理解しやすくなります。
     
  • 支払いに関する特別なお願いがある場合
    例えば、特定の期日までの支払いをお願いする場合や、振込手数料の負担について明記したい場合に送付状が有効です。

請求書に送付状の同封が不要なケース

請求書の送付状は必須ではない場合もあります。特に、電子的な請求書送付が一般化した現代では、送付状が不要な場合が増えています。

  • メール送付の場合
    メール本文が送付状の役割を果たすため、別途送付状を添える必要はありません。メール本文には、挨拶文、送付物の概要、請求額、支払期限を記載しておくとよいでしょう。
     
  • 既に請求書が電子データで送られている場合
    電子データ(PDFなど)で請求書を送付した場合、送付状を別途送る必要はないことが多いです。この場合、請求書に必要な情報をすべて記載しておくことで、送付状の役割を果たすことができます。ただし、重要な連絡事項がある場合は、本文内で明記することをおすすめします。
     
  • 急ぎの取引で事前に連絡済みの場合
    相手方が請求書の内容を事前に把握している場合や、取引先が送付状を不要と明確に示した場合には省略が可能です。

請求書の送付状の正しい書き方

請求書に同封する送付状には法的なルールはありませんが、ビジネスマナーに基づきながら、内容が相手にとって明確で簡潔に伝わる構成を心掛けましょう。以下に送付状の書き方のポイントを、段階ごとに詳しく説明します。

送付状に必要な基本項目

  1. 送付日(作成日
    宛名の上部または右上に記載します。作成日を記載することで、送付状の発行日が明確になり、書類の記録として重要な情報となります。
     
  2. 宛名(会社名・担当者名
    送付状の最上部には、送付先の会社名や担当者名を記載します。宛名の誤りは相手に失礼にあたるため、以下のポイントに注意してください。
    • 正式名称を使用:略称や通称ではなく、正式名称を記載します。
    • 肩書の確認:担当者の肩書(部長、課長など)がある場合は、正確に記載します。
    • 敬称を付ける:「様」や「御中」を適切に使い分けます(例:「株式会社〇〇 御中」や「営業部 部長 〇〇様」)。
        
  3. 自社情報(会社名・住所・連絡先)
    送付日、宛名よりも下の位置での右上に、自社の情報を明記します。これにより、受け取る側が送付元をすぐに特定でき、何かあった際の連絡もスムーズに行えます。会社名、住所、電話番号、請求書の問い合わせ先を記載しましょう。
     
  4. 挨拶文
    送付状文面は、以下の要素で構成されるのが一般的です。
    • 前文(挨拶)
      送付状の冒頭部分には、宛名の担当者や会社に対して適切な挨拶文を記載します。

例:拝啓 平素より大変お世話になっております。

  1. 主文(内容の説明)
    送付状の目的や、送付物の詳細を記載します。

例:このたびは、○○月分の請求書をお送りさせていただきます。

  1. 末文(締めの挨拶)
    終わりには、感謝や今後の対応に関する一言を添えます。

例:ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

  1. 頭語と結語
    頭語: 「拝啓」や「前略」などの形式が一般的ですが、季節に応じて使い分けることが求められます。季節に応じた挨拶を使うことで、より礼儀正しい印象を与えます。例えば、夏には「盛夏の候」、冬には「寒冷の候」などを使用することがあります。
    結語: 「敬具」や「かしこ」などが一般的ですが、相手との距離感を考慮して選ぶことが重要です。フォーマルな関係の場合は「敬具」、カジュアルな関係では「かしこ」のほうが適切です。

送付状に含めるべき重要な情報

請求書送付状には、受け手が支払いをスムーズに行うために必要な情報を明確に記載することが重要です。特に支払い期日は非常に重要な項目であり、送付状にも記載しておくと支払い遅延の防止につながります。期日はなるべく明確に記載し、「○月○日まで」と具体的な日付を伝えます。

例:お手数ですが、○月○日までにお振込みくださいますようお願い申し上げます。

その他、振込手数料や税金など、注意が必要な事項があれば、送付状で伝えておくと、トラブルを防ぐことができます。

例:振込手数料はお客様のご負担となりますので、ご確認の上お手続きをお願いいたします。

請求書の送付状のテンプレート

送付状のテンプレートを用意しておくと、日々の業務がスムーズに行えます。下記サイトなどで無料ダウンロードできるので、上手に活用するといいでしょう。

  • Microsoft Office テンプレート
    URLMicrosoft Office テンプレート
    特徴:Microsoftが提供する無料のテンプレートサイトでは、請求書送付状を含むさまざまなビジネス文書のテンプレートが手に入ります。WordやExcelで編集可能で、簡単にカスタマイズできます。多くのビジネス文書に関するテンプレートが揃っているため、汎用性が高いです。
     
  • 便利テンプレート
    URL便利テンプレート
    特徴:「便利テンプレート」は、日本語対応の多くのビジネス書類テンプレートを提供しています。請求書送付状やその他のビジネス文書が豊富で、簡単にダウンロードでき、編集も直感的に行えます。
     
  • 弥生テンプレート
    URL弥生テンプレート
    特徴:会計ソフトの大手提供者である弥生が、無料で請求書や送付状のテンプレートを提供しています。特に会計関連の業務に特化したテンプレートが充実しており、請求書送付状をはじめ、請求管理に役立つツールが揃っています。
     
  • Canva
    URLCanva
    特徴:Canvaはデザインツールとしても知られ、請求書送付状のテンプレートも豊富に提供しています。特に視覚的に美しいデザインが特徴で、ビジュアルにこだわりたい企業や個人におすすめです。無料版でも多くのテンプレートが使用でき、直感的な操作で作成が可能です。
     
  • 無料ビジネステンプレート.jp
    URL無料ビジネステンプレート.jp
    特徴:「無料ビジネステンプレート.jp」は、日本国内向けに特化したビジネス文書テンプレートサイトです。請求書送付状を含む、ビジネスで使えるさまざまな書類のテンプレートが無料で提供されています。日本の文化に合った書式や表現が使われているため、特に日本企業には使いやすいです。

請求書の発行には、こうした送付状の作成や、封入、発送作業など、様々な業務が必要で、コストも時間もかかります。こうした請求書発行業務だけでなく、代金の回収業務までを代行するサービスの一つが「Paid(ペイド)」です。

取引先情報と請求内容を登録するだけで、与信管理から請求書の発行・発送、入金確認、督促まですべての業務をPaidが代行します。さらに、未回収の場合には代金を100%保証するため、未回収リスクを気にせず安心して取引できます。

Paidを実際に導入した企業の事例を紹介します。

導入企業ワンストーン株式会社
業種定額・サブスクリプション

【Paid導入前の課題】

請求業務は代表が1人で対応。請求書の印字や封入やラベルシールの印字と貼り付け、さらに金額の誤りなどを防ぐためのダブルチェックなどを含めると、請求書の発送だけで3~4時間かかっており、他のやりたい仕事に時間が取れないのが課題でした。

【Paid導入後の効果】

必要な作業は新規取引先の登録とその請求情報の登録だけになったので、毎月の作業としては15分程度に短縮。月末月初でも本業に集中できるようになりました。督促の心理的負担がなくなったのも大きな効果だと感じています。

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まとめ

請求書の送付状は、単に請求内容を伝えるだけでなく、ビジネスマナーを守り、取引先との円滑な関係を築くために重要な役割を果たします。作成にあたっては、正しい言葉遣いや適切な書き方を選び、送付タイミングや方法に配慮することが求められます。さらに、送付状が不要な場合もあることを理解し、相手の状況に応じて柔軟に対応することが大切です。送付状を正しく作成することで、支払いの遅延を防ぎ、信頼性の高いビジネス取引を実現することができます。