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債権回収は委託すべき?判断基準・依頼先の種類・費用相場をわかりやすく解説

債権回収は委託すべき?判断基準・依頼先の種類・費用相場をわかりやすく解説

取引先からの入金が滞ると、督促や入金確認に時間を取られるだけでなく、資金繰りや取引関係にも影響が及ぶおそれがあります。債権回収を外部へ委託したいと考えても、「弁護士に相談すべきか」「債権回収会社に依頼できるのか」「回収額に対して費用が見合うのか」と迷う担当者も多いでしょう。

債権回収の依頼先は、一律に決められるものではありません。債権の種類や金額、滞納期間、対応状況、法的手続きの必要性によって、適した相談先や対応方法は異なります。

本記事では、債権回収を委託すべきか判断するポイントや主な依頼先、費用相場、委託前の注意点を解説します。

債権回収の委託とは?自社の代わりに未払い債権の回収を依頼すること

債権回収の委託とは、支払期限を過ぎても入金されない売掛金や貸付金について、外部の専門家や専門会社に対応を任せることです。

未払いが発生した場合、まずは自社でメールや電話による確認を行うのが一般的です。しかし、何度連絡しても支払いがない場合や、相手と連絡が取れなくなった場合は、自社だけで対応を続けるのが難しくなります。

主に依頼できる業務は、次のとおりです。

  • 督促対応:電話や書面などで支払いを求める
  • 支払交渉:支払期限や分割払いの条件を調整する
  • 入金管理:支払予定日や入金状況を確認する
  • 法的手続き:訴訟や支払督促などの手続きを進める

ただし、どこまで対応できるかは依頼先によって異なります。請求や入金確認を支援するサービスもあれば、相手との交渉や裁判手続きまで任せられる弁護士もいます。

そのため、すぐに依頼先を決めるのではなく、まずは未払いの金額や経緯、相手の状況を整理し、どの対応を外部に任せたいのかを明確にすることが大切です。

債権回収を委託すべき?判断のポイント

未払いが発生したからといって、すべてのケースで外部へ委託する必要があるわけではありません。

自社から一度確認すれば解決するケースもあれば、早めに専門家へ相談したほうが良いケースもあります。まずは、委託を検討すべきケースと、自社対応を優先しやすいケースを整理します。

判断項目委託を検討すべきケース自社対応を優先するケース
取引先の反応連絡が取れない、支払いを拒否している、延期を繰り返している支払予定日について具体的な連絡がある
滞納期間滞納が長期化している支払期限を過ぎて間もない
債権額未回収になった場合の影響が大きい委託費用が回収見込み額を上回る可能性がある
証拠書類契約書や請求書などがそろっている証拠や取引記録が不足している
社内工数督促対応によって通常業務に支障が出ている基本的な確認や督促をまだ行っていない
取引関係今後の関係継続が難しい今後も取引を継続したい

「委託を検討すべきケース」の複数項目が当てはまる場合は、自社だけで対応を続けず、外部への相談を検討したほうが良いでしょう。

一方、支払期限を過ぎて間もなく、相手から具体的な入金予定が伝えられている場合は、まず自社で確認を進める方法もあります。

ここからは、判断項目ごとに詳しく見ていきます。

債権額と回収見込み額

債権額が大きい場合は、未回収による資金繰りへの影響も大きくなるため、専門家への相談を早めに検討したほうが良いでしょう。

一方、少額の債権では、依頼にかかる着手金や手数料が回収額を上回ることがあります。例えば、10万円を回収するために同程度の費用がかかるのであれば、外部へ委託するメリットは小さくなります。

判断するときは債権額だけでなく、相手の支払能力や回収できる見込み、依頼費用、社内で対応する人件費まで含めて考えます。法的手続きを進めても、相手に支払える財産がなければ回収できない場合があるためです。

滞納期間と取引先の反応

支払期限を数日過ぎただけの場合と、数か月にわたって連絡が取れない場合では、取るべき対応が異なります。

請求書の見落としや、取引先の社内処理の遅れが原因であれば、確認の連絡だけで支払われることもあります。反対に、次のような状況が続いている場合は注意が必要です。

  • 支払延期:支払予定日を何度も先延ばしにしている
  • 連絡不通:メールや電話に反応しなくなっている
  • 支払拒否:明確な理由を示さず支払いを拒んでいる

判断が担当者任せにならないよう、「支払期限から30日を過ぎたら上長へ報告する」「3回連絡しても反応がなければ外部へ相談する」など、自社なりの基準を決めておくと対応しやすくなります。

契約書や請求書などの証拠がそろっているか

債権回収を進めるには、「いつ、何を提供し、いくら請求したのか」がわかる資料が欠かせません。

主に整理しておきたい資料は、次のとおりです。

  • 契約関係:契約書、発注書、注文書
  • 納品関係:納品書、検収書、業務完了報告書
  • 請求関係:請求書、支払条件がわかる資料
  • 連絡記録:メール、チャット、督促履歴、支払約束の記録

取引の事実や請求金額を確認できなければ、外部へ相談しても交渉や法的手続きを進めにくくなります。

資料が不足している場合は、残っている記録を集め、取引開始から現在までの経緯を時系列でまとめておきましょう。

社内対応にかかる工数

1件あたりの債権額が小さくても、未払いの件数が多ければ、経理担当者の負担は大きくなります。

未払いへの対応では、次のような作業が発生します。

  • 督促連絡:メールや電話で支払い状況を確認する
  • 入金確認:口座への入金状況を確認する
  • 社内連携:営業担当者や関係部署に状況を確認する
  • 予定管理:支払予定日や次回の連絡日を管理する
  • 請求処理:再請求や入金消込を行う

こうした作業が積み重なると、通常の経理業務に手が回らなくなってしまいます。

少額の未払いが複数発生している場合は、1件ずつ弁護士へ依頼するより、請求書発行や入金確認、督促を含めた請求業務全体を外部化するほうが良いこともあります。

取引を継続したい相手か

どの程度まで強く支払いを求めるかは、今後も取引を続けたい相手かどうかによって変わります。

長く取引している相手で、今回だけ一時的に支払いが遅れているのであれば、すぐに法的措置へ進む必要はないかもしれません。支払期限の延長や分割払い、今後の与信限度額の見直しによって対応できる場合もあります。

一方、支払約束を繰り返し破る、連絡を避けるといった状況が続いているなら、すでに信頼関係が崩れている可能性があります。

関係維持を優先するのか、回収を優先するのかを社内で整理したうえで、必要に応じて専門家へ相談しましょう。

債権回収を委託・相談できる主な依頼先

債権回収の相談先や、未回収リスクへの対応に利用できるサービスは、主に弁護士、請求回収代行サービス、ファクタリング会社、債権回収会社・サービサーの4つです。

それぞれ役割が異なるため、「未払い代金を法的に回収したいのか」「日常の請求業務を効率化したいのか」「入金期日前に資金化したいのか」を明確にしてから選びましょう。

弁護士

取引先が支払いを拒んでいる、何度連絡しても反応がない、請求内容について争いになっている。このような場合は、弁護士への相談が向いています。

弁護士には、相手との支払交渉だけでなく、内容証明郵便の作成・送付、支払督促、訴訟なども依頼できます。判決などを得たあとも支払いがなければ、強制執行について相談することも可能です。

一方で、弁護士への依頼には着手金や報酬金、裁判手続きの実費などがかかります。債権額が小さい場合は、回収できた金額より費用が大きくならないかも見ておく必要があります。

請求回収代行サービス

未払いが大きなトラブルになる前に、日々の請求業務を減らしたい場合は、請求回収代行サービスが選択肢になります。

請求書の発行や送付、入金確認、消込、支払期日を過ぎた取引先への連絡などを任せられるため、経理担当者が毎月行っている作業をまとめて効率化できます。

例えば、少額の未払いが何件も発生している場合、1件ずつ専門家に回収を依頼しても、根本的な負担は減りません。請求から入金確認、督促までの流れそのものを外部化したほうが、業務を回しやすくなることがあります。

与信審査や未入金時の保証に対応したサービスを利用すれば、取引開始前から未回収リスクを抑えることも可能です。例えばPaidでは、与信審査や請求業務を代行するほか、取引先から未入金が発生した場合も代金を100%保証してくれます。

ファクタリング会社

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社へ売却し、入金期日より前に資金を受け取る方法です。

そのため、すでに支払いが遅れている債権を回収する手段というより、「入金を待たずに資金を確保したい」ときの選択肢と考えるほうがわかりやすいでしょう。

売掛先の支払期日はまだ来ていないものの、仕入れや人件費の支払いが先に発生する場合などに利用されます。一方、すでに長期間の滞納が発生している債権や、回収の可能性が低い債権は、買い取りの対象にならないことがあります。

債権を回収したいのか、入金を早めたいのかを切り分けたうえで検討しましょう。

【対象債権に注意】債権回収会社・サービサー

債権回収会社・サービサーは、法務大臣の許可を受け、債権の管理や回収を行う会社です。

ただし、サービサーが扱えるのは、サービサー法で定められた「特定金銭債権」に限られます。対象となるのは、金融機関などの貸付債権やリース・クレジット債権、資産流動化に関する金銭債権などです。 

そのため、商品やサービスを通常どおり提供したことで発生した売掛金を、すべてサービサーへ任せられるわけではありません。 

「債権回収会社」という名称だけで依頼先を決めず、自社が保有する債権が対象に含まれるか、事前に確認することが重要です。

債権回収の委託にかかる費用はいくら?

債権回収にかかる費用は、依頼先や債権額、対応内容、回収の難しさによって変わります。依頼先ごとの主な費用目安は、次のとおりです。

依頼先費用の目安主な費用項目
弁護士・相談料:30分~1時間で5,000円~1万円程度
・着手金:請求額によって異なる
・別途、回収額に応じた報酬金や実費が発生する場合がある
相談料、着手金、成功報酬、裁判所へ納める費用など
請求回収代行サービス・初期費用:0円~数万円
・月額費用:0円~数万円
・決済・保証手数料:0.5%~数%
・事務手数料:1件あたり100~数百円程度 
初期費用、月額費用、保証料、請求書発行・事務手数料など
ファクタリング会社・2社間:売掛債権額の8%〜20%程度
・3社間:2%〜9%程度
売掛債権の買い取りにかかる手数料
債権回収会社・サービサー原則として個別見積もり債権の種類、件数、回収方法などに応じた手数料

※上記は公開料金などをもとにした目安です。実際の費用は、依頼先や契約内容によって異なります。

費用を比較するときは、表面上の金額だけでなく、回収見込み額や社内工数をどれだけ減らせるかも含めて判断することが大切です。

依頼先ごとの詳しい料金体系は、以下の記事で解説しています。
▶督促代行の費用はいくら?依頼先別の相場と選び方を解説

債権回収の委託前に確認すべき注意点

債権回収を外部へ依頼する前に、まずは手元の資料や、これまでのやり取りを整理しておきましょう。準備ができていると、依頼先にも状況が伝わりやすく、どのような対応が必要かを判断してもらいやすくなります。

確認しておきたいのは、主に次の4点です。

  • 証拠資料:契約書、発注書、請求書、納品書、検収書などをそろえる
  • やり取りの履歴:メールやチャット、電話の記録、督促した日をまとめる
  • 支払いの経緯:当初の支払期限や、相手から伝えられた入金予定日を整理する
  • 依頼先の対応範囲:自社の債権を扱える事業者か、契約前に確認する

書類がすべてそろっていなくても、すぐに依頼できないとは限りません。残っている資料を集めたうえで、「いつ取引が始まり、何を納品し、いつから支払いが遅れているのか」を時系列でまとめておくと、相談が進めやすくなります。

債権回収の委託は、回収の可能性と費用対効果を見て判断しよう

債権回収を外部に任せるべきかどうかは、未払い金額の大きさだけでは決められません。実際に回収できる可能性や依頼費用、社内で対応を続ける負担まで含めて考えることが大切です。

すでに支払いを拒否されている場合や、連絡が取れず法的な対応が必要な場合は、弁護士への相談が選択肢になります。一方、毎月の請求や入金確認、督促に時間を取られている場合は、個別の債権回収よりも、請求業務全体を見直したほうが解決に繋がることもあります。

特に、少額の未払いが繰り返し発生している場合は、その都度回収方法を考えるだけでは負担が減りません。与信審査から請求、入金確認、督促までの流れを整え、未払いが起こりにくい仕組みをつくる必要があります。

Paidでは、取引先の与信審査や請求書の発行、入金確認、督促までを代行しています。未入金が発生した場合の保証にも対応しているため、債権回収に追われる前に、請求・回収業務そのものを見直したい企業にも適しています。

目の前の未払いをどう回収するかに加えて、同じ問題を繰り返さないための体制作りまで考えてみましょう。

監修者
大橋 正人
株式会社ラクーンフィナンシャル 執行役員 Paid推進部長

2006年に株式会社ラクーン(現:ラクーンホールディングス)に入社。経営企画室にて卸サイト「スーパーデリバリー」のマーケティング担当として従事。2009年より小売店の審査部門の責任者を経て、2010年「決済サービスPaid(ペイド)」の立ち上げに参画。2019年からラクーンフィナンシャルが提供する「Paid」と「URIHO」の2つのサービスをマーケティング面から統括。2024年からはPaidの事業責任者として、企業の請求業務・決済まわりの課題解決に向けて活動している。

主な掲載・登壇実績
SFA JOURNAL|掛け払い・請求代行サービス「Paid」インタビュー(2025年)
ECのミカタ|企業間後払い決済サービス「Paid」インタビュー(2023年)
日本ネット経済新聞(日流ウェブ)|早期資金化サービス「Paid早期払い」対談インタビュー(2019年)
ビズスタ|登壇者プロフィール