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【2026年】オーソリ(仮売上)期限が短縮!25日ルールとは|EC事業者への影響と対応策

【2026年】オーソリ(仮売上)期限が短縮!25日ルールとは|EC事業者への影響と対応策

予約販売や受注生産など、注文から商品発送までに時間がかかるEC事業者は、クレジットカード決済の「オーソリ期限」に注意が必要です。

2026年は、国際カードブランドのルール変更などを受け、複数の決済サービスで、オーソリ取得後に売上を確定できる期間が短縮されています。

なかでも、仮売上から売上確定までの期限を25日以内とする変更は、「25日ルール」と呼ばれることがあります。 期限を過ぎると、決済が自動的に取り消されたり、あらためてオーソリを取得しなければ売上を確定できなくなったりする可能性があります。

本記事では、オーソリの基本的な仕組み、2026年に変更される主な決済サービスの期限、EC事業者の売上や業務への影響、確認すべき対応策を解説します。

オーソリ(仮売上)とは?

オーソリとは、カード決済の際に、商品代金分の利用枠を一時的に確保しておく処理です。英語の Authorization(承認・与信)が語源で、「仮売上」や「与信」と呼ばれることもあります。

大切なのは、この時点ではまだ請求が発生していないという点です。あくまで「この金額を後で請求します」と、枠を仮に押さえているにすぎません。

オーソリ取得から売上確定までの流れ

クレジットカードの仮売上方式は、ECサイトを例に取ると一般的に次の順序で決済処理が進みます。

  1. 購入者がECサイトでクレジットカード決済を行う
  2. カード会社にオーソリを依頼する
  3. カードが利用可能か確認し、商品代金分の利用枠を確保する
  4. EC事業者が商品を発送またはサービスを提供する
  5. EC事業者が売上確定処理を行う
  6. 購入者への請求と、EC事業者への入金処理が進む

注文時にオーソリだけを取得し、発送時に売上を確定することで、在庫切れやキャンセルが発生した場合に、確定済みの売上を取り消す処理を減らせます。

一方、注文から発送までの期間が長い場合は、売上確定前にオーソリの有効期限が切れてしまう可能性があります。

クレジットカード決済は、オーソリによる利用枠の確保、商品発送・サービス提供、売上確定の順に処理される流れ

オーソリで確保した利用枠には「有効期限」がある

オーソリで確保した枠には有効期限があります。期限内に売上確定ができない場合、確保した枠は自動的に取り消されてしまいます。商品の発送が遅いと、売上を取りこぼしてしまうことになります。

この有効期限は、これまで比較的長く設定できました。一般的な目安は最大30日程度ですが、決済代行によっては海外発行カードを含めて30〜60日まで指定でき、おおむねリクエストどおりの期限が確保されていました。

しかし、増加するクレジットカードの不正利用を防ぐ目的から、このオーソリ期間が短くなる傾向にあります。

25日ルールとは?2026年にオーソリ・売上確定期限を変更する主な決済サービス

「25日ルール」とは、オーソリ取得後に売上を確定できる期間を25日以内へ短縮する動きを指す通称です。2026年は、国際カードブランドのルール変更などを受け、複数の決済サービスで仮売上から実売上までの期限が25日以内へ短縮されています。

ただし、すべてのカード決済に一律で25日が適用されるわけではありません。海外発行カードの期限を最大7日とするサービスもあり、変更時期や期限を過ぎた場合の処理も決済サービスによって異なります。

2026年7月31日時点で公表されている、主な決済サービスの変更内容は次のとおりです。

決済サービス・会社主な変更内容変更時期
PAY.JP海外発行カードについて、指定できるオーソリ期限を最大7日までに制限2026年8月中予定
株式会社ゼウス仮売上から売上処理までの期限を、90日以内から25日以内へ短縮。
国内・海外発行カード共通
2026年9月頃予定
GMOペイメントゲートウェイ株式会社仮売上から実売上へ変更できる期間を、60日から25日へ短縮2026年7月23日実施

なお、上記は各社が公表している代表的な変更内容です。利用できる期限や、期限超過後の処理は、契約しているサービス、接続方式、カードブランド、取引内容などによって異なる可能性があります。

自社で利用している決済サービスの公式案内や管理画面を確認し、変更日と変更後の期限を把握してください。

オーソリ期限の短縮によってEC事業者に生じる影響

オーソリ期限が短縮されると、期限内に売上処理を完了できない取引では、売上確定や購入者対応に支障が生じる可能性があります。

ここでは、オーソリ期限の短縮によってEC事業者に生じる主な影響を解説します。

① 処理の不備が追加手数料などの対象になる可能性がある

オーソリ取得後に期限内の売上確定や取消を行わなかったり、オーソリ時と異なる金額で売上処理を行ったりすると、カードブランドや決済サービスのルールに抵触し、追加手数料などの対象になることがあります。

EC事業者にこうした料金が請求されれば決済コストが増えるだけでなく、対象取引の確認や処理方法の見直しも必要となり、受注・決済業務の負担が大きくなります。 

例えばVisaの「Processing Integrity Fee(Misuse of Authorizationなど)」や、Mastercardの「Transaction Processing Excellence(TPE)」では、オーソリを取得したにもかかわらず期限内に売上確定や取消を行わない、オーソリと売上処理の内容が適切に対応していないといった取引が、追加料金などの対象になる場合があります。

具体的な発生条件やEC事業者への請求の有無・方法は、カードブランド、利用している決済サービス、契約内容によって異なります。 期限を過ぎると、必ず手数料やチャージバックが発生するわけではありません。

そのため、利用中の決済サービスの案内を確認しておくことが大切です。

② 海外発行カードは、オーソリ期限の短縮に注意が必要

もうひとつは、海外発行カードのオーソリ有効期限の短縮です。前述のとおり、決済サービスによっては、2026年から海外発行カードのオーソリ期限が最大7日など、従来より短く設定されます。

期限を過ぎると、取得済みのオーソリを使って売上を確定できず、あらためてオーソリの取得や再決済が必要になる場合があります。再オーソリが承認されなければ、購入者にカード情報の再入力や、別の決済方法による支払いを依頼しなければいけないことにもなりかねません。

特に、越境ECや海外発行カードの利用が多いECサイトでは、注文から発送までの日数が変更後の期限を超えないか確認が必要です。オーソリが有効でない状態で商品を発送すると、代金回収のために再オーソリや購入者への再決済依頼が必要になるおそれがあります。

影響を受けやすい事業者と、起こりうる問題

今回の厳格化で特に影響を受けやすいのは、次のような事業者です。

  • 発送までに日数がかかる業態:予約販売、受注生産、ハンドメイド品、BtoBの個別受注品など。オーソリから売上確定までの期間が長く、期限を超過しやすい。
  • 越境EC・訪日客向けの販売:海外発行カードの比率が高く、短縮の影響を直接受けやすい。
  • 分割・部分的な売上を行っている事業者:オーソリ金額と売上金額の不一致がペナルティの対象になりうる。

起こりうる問題としては、発送前にオーソリが切れて売上確定できない、期限切れを防ぐための再オーソリ(与信の取り直し)の手間が増える、不整合な取引に手数料やチャージバックが発生する、といったことが挙げられます。

商品発送までにオーソリの有効期限が切れると、確保した利用枠が取り消され、売上確定できなくなる流れ

ルール厳格化に備えるための対応策

オーソリ期限の短縮に備えるには、利用中の決済サービスの変更内容を確認し、現在の受注・出荷・売上確定の流れを見直す必要があります。ここでは、EC事業者が確認しておきたい主な対応策を解説します。 

オーソリ期限を確認・管理する

まずは、契約している決済サービスについて、変更日、変更後のオーソリ期限、期限を超えた場合の処理を確認しましょう。

あわせて、注文から商品発送やサービス提供までにかかる日数を確認し、オーソリ期限を超える可能性がある注文を把握します。特に、予約販売、受注生産、入荷待ち商品などは、通常の商品とは分けて管理することが重要です。

管理画面や受注管理システムで、オーソリ取得日や期限が近い注文を把握できるかも確認しておきましょう。 

売上確定のタイミングを見直す

商品発送後に手作業で売上確定を行っている場合は、処理の遅れや漏れが発生していないか確認します。

発送完了と売上確定の処理を連携できれば、期限超過を防ぎやすくなります。出荷システムや受注管理システムと決済サービスを連携できるか、利用中のサービスへ確認しましょう。

ただし、期限切れを避けるためだけに、商品発送やサービス提供より大幅に早く売上を確定するのは適切ではありません。カードブランドや決済サービスの規定を確認し、取引の実態に合ったタイミングで処理する必要があります。

オーソリと売上の金額・件数を合わせる

分割発送や部分売上、注文後の金額変更を行っている場合は、オーソリ金額と売上金額が適切に対応しているか確認しましょう。

一つのオーソリに対して複数回の売上処理を行っている場合や、オーソリ時と異なる金額で売上を確定している場合は、変更後も現在の運用を継続できるとは限りません。

必要に応じて、変更後の金額でオーソリを取り直す、発送単位で決済を分けるなど、利用中の決済サービスが案内する方法に沿って処理を見直します。

再オーソリの方法を確認する

オーソリ期限内に商品を発送できない注文については、利用中の決済サービスの仕様に応じて、期限内の再オーソリ、元取引の取消後の再決済、または別の決済手段への切替えなどを検討する必要があります。

利用中の決済サービスが再オーソリに対応しているか、APIなどで自動処理できるか、担当者による手動対応が必要かを確認しましょう。

一度オーソリが承認されていても、再オーソリが必ず承認されるとは限りません。再オーソリに失敗した場合は、購入者へカード情報の再入力や、別のカード・決済方法による支払いを依頼する必要があります。

そのため、再オーソリを行う時期だけでなく、失敗した注文の確認方法、購入者への連絡方法、再決済の期限、支払いを確認できない場合の注文の扱いまで決めておくことが重要です。

オーソリ期限内に対応できない取引では決済手段を見直す

すべての取引でカード決済を変更する必要はありません。

ただし、納品までに時間がかかる受注生産品や、入荷時期が確定しにくい商品、複数回に分けて納品する大口注文など、オーソリ期限内に売上を確定することが難しい取引では、別の決済手段を検討する方法もあります。

銀行振込や請求書払いなど、オーソリ期限の影響を受けない決済方法を用意し、取引内容に応じて使い分けることで、再オーソリや購入者への再決済依頼を減らせます。

特に法人間取引では、請求書払いへの切り替えも選択肢になります。

BtoB取引なら「請求書払い」という選択肢も

ここまではカード決済の話でした。ただ、企業間(BtoB)の取引であれば、カードのオーソリ管理に悩まずに済む方法があります。それが「請求書払い(掛け払い)」です。

請求書払いはカード決済ではないため、オーソリの有効期限や再オーソリ、金額の不整合といった、カード特有の運用負担やペナルティがそもそも発生しません。発送までに時間がかかる取引でも、期限切れで売上を取りこぼす心配がない、というわけです。

そうした請求書払いを支えるサービスのひとつが、BtoB後払い決済「Paid」です。請求書払いで発生する請求業務をまとめて代行し、業種や取引形態を問わず幅広い企業に導入されています。

  • 未回収リスクがゼロに:未入金の場合も代金を100%保証
  • 与信審査もすべて代行:初回取引時に企業単位で与信を行い、反社チェックを含む審査を実施
  • 電話での督促にも対応:未払い発生時はメールだけでなく電話でも督促

カード決済のルール変更に振り回されず、BtoBの取引と代金回収を仕組みで安定させたい会社に向いたサービスです。対応に追われる前に、請求書払いという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

監修者
大橋 正人
株式会社ラクーンフィナンシャル 執行役員 Paid推進部長

2006年に株式会社ラクーン(現:ラクーンホールディングス)に入社。経営企画室にて卸サイト「スーパーデリバリー」のマーケティング担当として従事。2009年より小売店の審査部門の責任者を経て、2010年「決済サービスPaid(ペイド)」の立ち上げに参画。2019年からラクーンフィナンシャルが提供する「Paid」と「URIHO」の2つのサービスをマーケティング面から統括。2024年からはPaidの事業責任者として、企業の請求業務・決済まわりの課題解決に向けて活動している。

主な掲載・登壇実績
SFA JOURNAL|掛け払い・請求代行サービス「Paid」インタビュー(2025年)
ECのミカタ|企業間後払い決済サービス「Paid」インタビュー(2023年)
日本ネット経済新聞(日流ウェブ)|早期資金化サービス「Paid早期払い」対談インタビュー(2019年)
ビズスタ|登壇者プロフィール